事例27 高齢な母の不動産を母の想いに沿って、有効に活用したい
ご相談時の状況
以前、不動産の売買でお手伝いさせていただいた、世田谷区在住の長女の方が、次女の方と一緒に、相談に来られました。相談者のお母さんは現在、元気ですが85歳を過ぎ、今後の財産管理などに不安をもっておられます。最近、家族信託という制度があることを知り、相談に来られました。お母さんは世田谷区に不動産を持っていて、長女家族もその近くに住んでいます。今後、お母さん名義の不動産については、お母さんの希望により、子供や孫が家を建てるときなどに有効に活用してほしいと思っていました。また賃貸で貸している不動産の管理等で不安を抱えていました。
提案内容
お母さんが今後もし意思能力が弱まったとしても、資産が凍結せず、預貯金の出し入れや、不動産の売却、有効活用ができるよう家族信託を提案しました。
結果
委託者をお母さん、受託者を長女、受益者をお母さんとする家族信託を組成しました。所有不動産屋や現金の大部分を受託者である長女に委託し、今後、万が一のことがあっても、資産が凍結せず、お母様が安心して暮らしていけるような体制をとることができました。またお母様のご要望どおり、不動産を家族のために有効活用できるような工夫も施しました。次女の方にはお母様が意思能力を失っても家族信託の契約内容を見直せるよう、受益者代理人になってもらうよう設計しました。
家族信託を組んで1年後、実際に信託した不動産を利用して孫が自宅を建設しました。