相続手続き丸ごと代行なら司法書士がおすすめ!その理由と各専門家の業務について解説 | 遺言・相続手続き相談センター
相続は人生に何度もあるものではありませんから、不安ですよね。さらに期限のある手続きもありますから大変です。
日中お仕事のある方、お家のことでお忙しい方、自分たちだけでできるか不安という方は、手続きを代行されることも多いです。
この記事では、相続手続きは誰に代行してもらえるの?いくらくらいかかるの?と疑問のお持ちの方に向けて、専門家の業務範囲や費用について解説します。
基本的な相続手続きの流れをおさえよう
はじめに基本的な相続手続きの流れを確認しましょう。
ここで「こんなにあるんだ…」と思われた方は要注意です。相続手続きは煩雑で時間も労力もかかります。
1,遺言書の有無を確認
被相続人の遺言書があるかないか確認します。
自筆証書遺言の場合、「遺言書の検認」が完了するまでは勝手に封を開いて内容を見てはいけません。
2,相続人の調査
役所より戸籍謄本等を取り寄せて相続人を調査し、確定します。
3,相続財産調査
相続人が残した財産すべての洗い出し、確定します。
相続放棄・限定承認(3か月以内)
被相続人の財産に負債(マイナスの財産)が含まれていた場合に手続きが可能です。
・相続人としての立場を放棄する「相続放棄」
・相続財産を超えた借金を負担しない「限定承認」
準確定申告(4か月以内)
被相続人の確定申告が必要な場合は相続人が代わりに申告・納付を行います。
遺産分割協議
相続人同士で遺産分割について話し合い、まとまったら遺産分割協議書を作成します。
ポイントは「相続人全員」の同意が必要だということです。
名義変更等
預貯金、有価証券、不動産、自動車等の名義変更を行います。
相続税申告、納税(10か月以内)
相続税が発生する場合は、10か月以内に申告と納税を行います。
相続手続きは代行サービス活用がおすすめ
ご家族や大切な方が亡くなると、その直後から葬儀や法要、役所への届出などやらなくてはならないことがたくさんあります。
さらに相続が発生する場合は、同時に相続に関する手続きも進めていかなければなりません。相続手続きには、相続税申告など期限が設けられているものもあるので、早めに進めておく必要があります。
大切な方を亡くした悲しみの中で、こうした手続きを進めるのは精神的にも体力的にも負担が大きいのが現実です。
そのようなときは、相続の専門家による代行サービスの利用をおすすめします。
代行サービスには、手続きの内容ごとに料金が決まっている「個別プラン」や、一定範囲内の手続きをまとめて代行する「パッケージプラン」などがあり、依頼した方の状況に合わせて利用することができます。
詳しい料金相場については後述しますが、すでに普及し始めているサービスで、利用する人も増えています。
相続手続き代行の依頼先は?
相続に関わる専門家には、司法書士をはじめ税理士や行政書士、弁護士、また銀行が挙げられます。それぞれ専門的に関われる分野が異なるものもありますが、相続手続き全般を一括代行してもらうなら司法書士が適任です。
ではそれぞれの専門家の業務範囲について見ていきましょう。
相続手続きにおける各専門家の業務
司法書士は不動産の名義変更を始め、相続手続き全般の一括代行を担うことができます。
行政書士は遺産分割協議の作成や各種相続財産の調査などを、税理士は相続税の申告手続きを行います。
弁護士は、相続人間でトラブルや紛争が発生している場合に、依頼者に代わって遺産分割の交渉を行ったり裁判を行なったりします。
銀行は、各専門家へつなげる窓口となって相続手続きがスムーズに進むようサポートします。
【相談内容と対応できる専門家】
司法書士 |
税理士 |
行政書士 |
弁護士 |
|
不動産名義変更(相続登記) |
○ |
× |
× |
× |
金融機関での相続手続き |
○ |
△ |
○ |
○ |
相続での紛争手続き |
× |
× |
× |
○ |
遺産分割協議書の作成 |
○ |
△ |
○ |
○ |
遺言書作成 |
○ |
△ |
○ |
○ |
遺言の検認 |
○ |
× |
× |
○ |
相続放棄の手続き |
○ |
× |
× |
○ |
相続人調査(戸籍収集) |
○ |
○ |
○ |
○ |
相続財産調査 |
○ |
○ |
○ |
○ |
相続税申告 |
× |
○ |
× |
× |
司法書士が行うことができる相続手続き
司法書士は、法務局や裁判所、検察庁などへ提出する書類を作成する専門家です。
相続に関する業務では、不動産の名義変更手続き(相続登記)や、遺産分割協議書をはじめとする相続手続きに必要な書類の作成を行います。
不動産の名義変更手続き(相続登記)とは、相続財産の不動産の名義を、被相続人から相続人に変更する手続きです。この手続きができるのは司法書士だけなので、相続財産に不動産が含まれる場合は司法書士に依頼するといいでしょう。
そのほかに、遺産分割協議書の作成や、その前提となる相続人調査や相続財産調査なども行います。また遺言書の作成や検認、相続放棄や相続登記、相続手続きも代行します。
司法書士への依頼がおすすめのケース
・相続財産に不動産が含まれている
・相続人間でトラブルになっていない
・相続人が多い、複雑な相続関係で手続きが面倒
・自分たちで遺産分割協議を進めたい
・相続放棄をしたい
・次の相続(二次相続)の対策も検討したい
など
行政書士が行うことができる相続手続き
行政書士は、官公署に提出する書類や、権利義務に関する書類の作成を行う専門家です。
相続に関する業務では、金融機関での相続手続き、遺産分割協議書の作成やその前提となる相続人調査や相続財産調査などを行います。また相続関係図の作成や遺言書の作成もできますが、遺言書の検認はできません。
相続に関して行政書士にしかできない専門の業務はありませんが、メリットは、費用を比較的安く抑えられる場合があることです。
行政書士への依頼がおすすめのケース
・相続財産に不動産が含まれていない
・相続人間の争いがない
・遺言書の検認の必要がない
など
税理士が行うことができる相続手続き
税理士は、個人や企業の確定申告や税務コンサルタント、節税対策などを行う税の専門家です。
相続税申告、不動産評価などの相続税対策、準確定申告は税理士にしかできない業務です。
依頼人のケースに合わせて、財産の分配の仕方や特例を活用して節税対策を行うなど、相続に関する全般的な手続きを行うよりは、節税対策がメインとなります。
特に評価のむずかしい土地を相続する場合は計算が複雑になるため、経験のある相続専門の税理士に相談するといいでしょう。
税理士への依頼がおすすめのケース
・相続人の数が多い
・相続財産に評価がむずかしい土地が含まれている
・遺産の額が大きい
・親族以外に相続に関わる人がいる
・準確定申告が必要
弁護士が行うことができる相続手続き
弁護士は、法律の専門家です。
相続に関する業務としては、相続税の申告手続きなど税金に関する業務以外のほとんどに対応することができます。中でも相続に関するトラブルや、遺産分割をめぐる紛争の解決については弁護士だけしか携わることができない業務です。具体的には、遺産分割で争いがある場合に、話し合いを進めるために相続人の代理となって交渉をすすめます。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所において遺産分割調停や審判の手続きをとります。
弁護士費用は他の専門家に比べて高いため、弁護士にしかできない法的な業務が必要な場合に依頼することがほとんどです。
弁護士への依頼がおすすめのケース
・遺産分割調停の申立てをしたい
・審判の代理をしてほしい
・遺言書の有効性で争いがある
など
銀行が行うことができる相続手続き
銀行や信託銀行の中には、相続に関する相談の窓口となって、相続手続き全般の支援や代行を行っているところがあります。
銀行は、これまで説明してきた士業(司法書士、行政書士、税理士、弁護士)と違い、法的な相続手続き業務ができないため、内容に応じて各専門士業に外注し、相続手続き全体がスムーズに完了できるようサポートします。
それぞれの業務を自分で探して依頼するのは大変、ということで便利なサービスではありますが、多くの作業は外注のため費用は高くつきます。
相続トラブルがなければ、相続手続き全般を担うことができる司法書士がいいでしょう。
主な相続手続きと代行費用の相場
ここでは主な相続手続きを専門家に依頼した場合の費用相場を紹介します。
なお、司法書士事務所などでは、複数の手続きをまとめて行うパッケージプランを用意しているところが多くあります。個別費用よりも安くなるので、依頼したい内容が複数ある場合はおすすめです。
【遺言書作成】
財産を誰にどれだけ譲るかを生前に指定しておく書面です。法律に定められた形式に従って作成する必要があります。
対応できる士業:司法書士、行政書士、弁護士
費用相場:8〜20万円※公正証書遺言の場合は別途公証人手数料が必要
【遺産分割協議書作成】
遺言書がない場合に、遺産の分け方について相続人同士で話し合い、合意した内容を書面にします。相続税申告や相続登記などに必要です。
対応できる士業:司法書士、行政書士、弁護士
費用相場:5〜10万円
【不動産の名義変更】
相続財産の不動産の名義を、登記上の所有者(被相続人)から相続人に変更する手続きです。
対応できる士業:司法書士
費用相場:5〜10万円※別途登録免許税(不動産評価額の0.4%)が必要
【預貯金・株式の名義変更】
口座の名義人が亡くなり、凍結された口座を解除するために名義変更をする手続きです。
対応できる士業:司法書士、行政書士、弁護士
費用相場:5〜10万円前後
【車・バイクの名義変更】
被相続人名義の車やバイクがある場合に、相続人名義に変更する手続きです。廃車や売却する場合でも、一旦相続人名義にする必要があります。
対応できる士業:行政書士
費用相場:2〜5万円前後
【戸籍・住民票の収集】
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本、それぞれの住民票などを各市区町村役場から収集する手続きです。
被相続人と相続人のつながりを証明するための書類で、相続人を確定するための重要な書類です。
対応できる士業:司法書士、行政書士、弁護士
費用相場:2〜5万円※相続関係図の作成も含まれる場合が多い
【相続関係図の作成】
被相続人と相続人の関係性を説明する書類の作成です。不動産の相続登記や金融機関等の手続きの際に必要となります。
対応できる士業:司法書士、行政書士、弁護士
費用相場:2〜5万円※戸籍収集が含まれる場合が多い
【相続税の申告】
相続開始から10か月以内に申告・納税を行うために、相続税を計算し申告書を作成します。
専門家に依頼することで、適正な財産評価・特例の適用といった節税対策をしてもらうことができます。
対応できる士業:税理士
費用相場:遺産総額の0.5〜1.0%程度
当事務所の手続き丸ごとサポート
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相続財産の価額 | 報酬額 |
---|---|
200万円以下 | 15万円 |
200万円を超え500万円以下 | 20万円 |
500万円を超え5,000万円以下 | 価額の1.0%+15万円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 価額の0.8%+25万円 |
1億円を超え3億円以下 | 価額の0.6%+45万円 |
3億円以上 | 価額の0.3%+135万円 |
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